2015年9月4日金曜日

教員の給料は民間に比べ高いので下げていいと思う理由を整理する

民間サラリーマンの年収と教員の年収をまとめたよ」では、民間の平均年収が414万円に対し小中学校教員の平均年収が689万円であり、300万円近く乖離していることを調べた。
それなので、私は教員の給与平均が下がるように調整した方が良いと思っている。
(若手の給与は上げて、ベテランの給与を大きく減らしたらいいと思ってる)

教員は大変な職業だから、給料を下げるべきではなく、上げるべきという方もいるだろう。
その辺を踏まえて自分の頭を整理する意味で記事を書く。

給与が高い理由を主張される教員の方は、次のような意見が多い印象。

  • 教師は専門性があり高度な能力が要求される
  • 適性が必要
  • 生徒、親、その他人間関係により心身の負担が著しい
  • 日本の未来を育てる責任の重大な仕事
小中学校教員を想定して、それぞれ反論していきます。


教師は専門性があり高度な能力が要求される

No。
大学に入学し教員免許取得の授業を受けることが必要なので、ある程度の勉学スキルと経験があるというのは分かる。ただ、勉強に抵抗の無い人なら十分達成できる難易度であり特別な知識やスキルではない。私個人的な感覚では【偏差値50以上の4年生大学にペーパーテストで入学できる能力】があれば、記憶力と論理展開能力は十分と思う。


特別な適性が必要

No。
飛行機パイロットに要求されるような適正ならば、生まれつき要求される部分があるため、それだけで貴重な人材であり、高い給料で囲い込む価値も十分にある。ただ、教員に求められる適正が、そういった類の希少なものとは思えない。
私が考える教員に最低限必要な適正としてパッと思いつくのは次のようなところ。(教員採用試験の基準はもっと細かく分類されているだろうが。)
・仕事に責任感を持てるか
・人の前で説明できるか
・人と円滑にコミュニケーション出来るか
・分からないところを自分で勉強できるか
・正義感をもっているか
これだけを考えてしまうと特別珍しいスキルでも無いので一般的だなと。

社会人になって思うのは「どうやってこの人生きてきたんだろ?」と疑問に思うくらい話出来ない人がチラホラいるのに、自分が子供だった時の先生でコミュニケーション出来ない教員いなかった。ちゃんと適正のある人が教師になってるのを感じる(笑)
教師は最低限まともな人が揃ってたな。


生徒、親、その他人間関係により心身の負担が著しい

分からなくはない。
子供がしつけられていなかったり、モンスターペアレンツの対応だったり、昔に比べて昨今の方が人間関係の負担が増えているとは思う。
どのくらい大変かを民間の仕事に置き換えると、接客業をしている人と同じ程度に大変になっただろうと思う。接客業はそれを専門で行っているので耐性があるのだろうが、教師は接客をやっているつもりは無いので負担を強く感じるだろう。

最近、ビデオレンタル店にDVD返却に来たお客さんが「DVD返したからお金返して。」って言うとか聞いた(笑)
どこにも、対応の面倒くさい人はいるんだよ。相手の立場を尊重できない人が、日本全体に増えているのかもしれない。


日本の未来を育てる責任の重大な仕事

No。
Noというのは給料が高い理由にならないという意味。もちろん責任重大な仕事だというのは分かる。

私の考え方は次のようなもの。
・仕事→出来る人が多い→給料は安くなる
・仕事→出来る人が少ない→給料は高くなる

ここまで述べた通り、教員の仕事は「出来る人が沢山いる」という認識なので、高くする理由が無い。

日本の未来を作るっていう意味なら、農家だって安全で栄養のある食料を生産して子どもたちに食べさせてるじゃん。貧乏な農家沢山だけど。


(追加情報)公務員給与の基準について

国家公務員の給与は人事院が決定する。給与は民間企業を基準に決めたことになっている。
以下、人事院のページからの引用。
国家公務員の給与は、民間企業の従業員の給与水準に合わせることを基本に決められています。このような決め方をしている理由は、公務員の給与は民間企業のように収益・業績などを基にして決めることが難しいため、その時々の景気の動向などを反映している民間の給与に合わせることが最も合理的であり、広く理解を得られる方法であるためです。
 そのため人事院は、毎年、民間企業の月例給と特別給(ボーナス)を調査し、国家公務員と民間企業の従業員について、主な給与決定要素である役職段階、勤務地域、学歴、年齢を同じくする者同士の給与を比較し、国家公務員給与を改定する必要がある場合には、国会と内閣に同時に勧告を行います。
地方公務員の給料は国家公務員の給料を基準に決定される。こちらの総務省のページから画像を引用します。
公務員は景気良かった時の基準を使い続けている?
収入の高い企業だけ取り出して民間企業の平均としている?
この辺は良くわからない。

日本経済はもう20年以上もGDP成長が停滞を続けて、民間の給料が低くなっている。公務員の給与が民間企業と乖離してしまっているので修正されるべきだろう。


まとめ

「勉強は中くらい以上」「子供が好き」「学校が好き」「勉強教えるのが好き」「勉強するのが好き」な人が教師になればいいと考えている。
高給を要求する高い学歴の人材を積極的に教員にする必要は無い。

高い給料は学業で優秀な成績を修めた人材を獲得しやすくすることを意味する。
採用側、職場の人間は楽だろうが日本社会全体にとってプラスにならない。

例えば、次の質問を考えて欲しい。

Q1. 学業優秀な人間が教員にならないと日本の未来が危ない?
決してそんなことない。
修めた学業以上に、教師になった後、子供と真剣に向き合えるかの方が重要。その時に給料の多い少ないは関係ない。

Q2. 学校成績優秀な人間が教員になった方が日本経済にとって良い?
むしろ悪い。
経済を動かしているのは民間の会社。そちらに優秀な人間を多くすることでより経済が発展する。


民間企業勤めに比べ教師の収入が高くなっていることで、デメリットが大きいので早く修正した方が良いと考えていますよ。教師の給料がもっと下がれば教師の人数増やせるし、労働環境改善もでき、さらに子供一人ひとりを相手にできる時間も増えると期待している。