2021年3月14日日曜日

美しい竹林の作り方

日本には荒れた竹林が多いが、庭園などでは美しい竹林が存在する。どうやったら美しい竹林になるのか気になったので調べる。


代表的な竹の種類

林野庁の「主な竹の種類」というページにいくつか竹の名前が上がっているが、日本で広く分布している、代表的な大型のものは次の3つ。
  1. マダケ(苦竹・真竹)
  2. モウソウチク(孟宗竹)
  3. ハチク(淡竹)

マダケ(苦竹・真竹)  

 (画像はwikipediaより)

直径15cm、高さ20mになる大型種です。
節には環が2つあり、節間が長く、材質部は薄いです。
材質は、弾力性があるなど優れており、建築や竹細工に利用されています。
漢字で苦竹と書くように、一般にたけのこが苦い印象があるので、市場に出回ることは少ないです。
また、竹の皮には黒褐色の斑点があり、無毛で、きれいな皮なので、食料品等の包装に使われてきました。

たけのこが美味しくないとのことなので、あえてこの竹を使って竹林を作ろうとする人は少なそう(な印象)。

竹皮の写真はこんな感じで、どこかで見たことありそうな柄。画像元: 国産真竹の竹皮について


wikiによると、日本の真竹は遺伝的に全て同じで日本中で同時期に花が咲き、同時期に枯れることがあるそう。周期は120年に1度と言われていて、前回が1970年頃だったらしいので、次回は2090年頃の予定。1970年に一斉に真竹が無くなったことで、孟宗竹への切り替えが進んだそうです。
生息している場所で、気温も湿度も全然違うのに、120年を見計らって、同時に花を咲かせる習性がすごい興味深い。何でそんな生態になったんだろう。不思議。

モウソウチク(孟宗竹) 

‘Uncle Carl’ (カールおじさん). - ‘Kusabana Photo Studio’ (草花写真館) / kusabanaph.web.fc2.com, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=96222568による

直径18cm、高さ22mになる大型種です。
日本の自生種ではなく、江戸時代に中国から導入されたという記録があります。
節には環が1つあり、節間が比較的短く、材質部は厚いです。
材質は、弾力性に欠け、建築や農漁業用資材として利用されていますが、かごなどの編組には向きません。
たけのこは春一番に発生し、春の味覚の王者と言われています。

美味しいたけのこが取りたいときは、孟宗竹がよさそう。たけのこの代名詞とも言われているそうなので、日本で出回っているたけのこの大部分は孟宗竹っぽい。

wikiによると、67年に一度花を咲かせるそう。真竹とは違い、日本中の孟宗竹が同時に花を咲かせるわけではなく、群生している箇所が同時に花を付け、局所的に枯れるそう。

また、放置された竹林が日本の森林を侵食していることも問題になっているそう。


ハチク(淡竹)

直径3~10cm、高さ15m程の大型種です。
耐寒性があるため、比較的寒い地域にも生育しています。
節には環が2つあり、細く割りやすいという材質から、茶筅などの茶道用具に利用されています。
たけのこはおいしいと言われていますが、市場に出回ることは少ないです。

茶筅(ちゃせん)とは何ぞ、と思ったらこれか!
D-Kuru - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=85847567による

今まで意識して見たことなかったが、言われてみれば「竹」だ!


良い竹林の密度

放置竹林整備マニュアル - 京都府(PDF)」に竹林の適切な密度が記載されている。

元気な竹林に整備する場合

  • 4千本/ha 程度を目標に伐採する
  • 1~6年生の竹が各年齢別に600~700本/ha を目指す
イメージ湧きやすいサイズ感で考えると、1a(10m x 10m)に40本、畳1枚の広さに1本くらいが生えている状態が良いらしい。

たけのこ畑を作る場合

  • 2.5~3千本/haを目標に伐採する
  • 3~6年目までに旺盛にタケノコが発生するので、7年目になった竹は伐採する
  • ワラや土を入れ、1.8~2m四方に1本程度の親竹を残す
  • 多くの人が入ると土あ踏み固められて固くなるので、人が歩く場所は特定しておく
え?ワラや土を入れるの?放っておいても勝手に出てくるものかと思ってた(笑)

また、竹林のポイントとして次のようなことが書かれている。
竹林を残す場所からは毎年たけのこ発生させる必要があるので、土が固くなることを避け、クワなどで耕して古い根は除去する作業も行おう。
古い根は勝手に枯れてくれるの待ちたいなぁ。クワで耕すの大変やん。


竹の処分方法

竹林を維持するためには伐採が必要だが、伐採した竹をどうやって処分するのが良いかが難しい。

伐採後の竹の処分法について考える!」という記事に次の方法が案として挙がっている。

1、同じ長さに切り分け野積み放置する。落とした枝も積上げる。
2、切ってすぐ火をつけて竹炭にしてしまう。
3、細かく切り分けて少しずつ燃えるゴミで出す。
4、トラック等に積み込み、ゴミ処理場に出す。
5、チッパーを用意し竹チップや竹パウダーにする。
6、竹細工等、竹を利活用するorできる人に譲る。
7、害獣対策のバリケードとして積み上げる。

竹林を取り除く業者は「大型のチッパー」を使うのが一般的なようだ。

効率的に除去しようとしたらチッパーがよさそう。


竹林に蚊が多い理由

最後に竹林に蚊が多い理由も調べました。ウィキの「ヒトスジシマカ」に書いてありました。
「竹の切り株にたまった水で繁殖するから」だそうです。

蚊が絶対嫌な人は竹林が向かないことが分かった。