駅があって、バスターミナルがあって、商店街があって、以前はとても栄えたらしい。宇部市がすごいのは港も空港もあるということ。今は昼間、大通りの歩道を歩く人はまばらで商店街はシャッター街になっている。過去のにぎわいを取り戻すための対策は何があるのかを考えてみた。
商店街の再開発の事例を確認
商店街を再開発で何とかしようというのはまず出る話だが、市民のライフスタイル、人の流れが変わってしまってからでは中々難しいのが現実。どんな失敗、成功があったのかtogetterに「商店会活性化と再開発と(再開発はなぜ失敗したか)」というまとめがあった。
上記ページで個人的に重要だと感じた点を箇条書きにする。
- お金をかけてキレイに整備しても良くならない
- 客のためを考えられて作られた空間に、客が来てくれる訳ではない
- 店、アクセス、潜在的客人口の3つが特に大切だが、さらに店主の能力が必要
- 廃墟のようになった商店街店舗を安く提供したことで活性化された例もある
- 安く提供したことで外国人の風俗店が増え治安が悪化した例もある
- 潜在的客人口が減ったなら、商店街の規模も小さくするのが適当
商店街はやっぱ客が命だな。都市部の商店街の周りには人が住んでいても、買い物客がスーパーに取られて衰退している。また、地方の商店街だとさらに車を使うライフスタイルについていけなかったというのも加わるはず。
都市環境デザインセミナー 99年第7回記録 中心市街地活性化への対応
今2017年だが、1999年から中心市街地の活性化が課題になってるんだな(笑)
この辺の感覚がまちづくりの不公平なところだと私には思えるのです。 わずか4年で3倍の家賃がとれる街になったのですが、 なぜそうなったかと言うと、 最初のオーナー達が協力してくれたおかげです。 最初のオーナー達の賃料も多少は値上げはしましたが、 いきなり3倍出せるわけがありません。 取り分が少ないままで頑張っていくださっているのです。 それなのに、 それを見ていた後発組のオーナーの方が得をしてしまうのです。 こういう不公平さがどうしてもまちづくりにはでてきますので、 この辺を制度的に改善していくのもまちづくりの課題ではないかと痛切に感じました。この文章は、「3。 神戸・旧居留地の復活 どん底からはいあがった街」に書いてあるのだが、確かに最初のリスク取った人にリターンが少ないのは課題だと思った。
また、「5。 中心市街地活性化と市街地再開発事業」では、対策をまとめてあるのだが人に関する部分が一番難しそうで一番必要な部分だと思った。
人の問題として、 公共的意識の向上、 「まちの全エリアが所有者の別に関わらず公共の場であり、 市民の共有する財産であるという意識」、 商業者・行政・住民の三位一体となったまちづくり体制の必要性です。 これは、 丸亀市の中心市街地活性化の基本計画の統一コンセプトとして出ているのですが、 この考え方の欠如が、 前回再開発ができなかった、 足を引っ張った原因です。 中心市街地の土地が市民の共有の財産であるという意識がまるでなかった。 自分のものという所有意識が非常に強い人が一部にいて、 そのためにできなかったということです。そもそも、商店街で廃墟を持っている人は、生活に困っていない場合が多く、土地が高くなったら売ればいいくらいのスタンスである場合が多い。さらに、遠くに住んでいる地権者と連絡すらつかないことも多いと聞く。もし、生活に困窮しているなら、その店舗で生活するなり、店をやるなり、店舗と土地を販売してしまうから。中心市街地に廃墟を保有したら固定資産税が高くなるような仕組みがあればいいのだろうが、今はそういうルールもなくて難しい。
地方は車があって初めて快適に生活できるので、車ありきの再生を考えた方がいいと思う。宇部新川周辺の話になるが、商店は減ったが居酒屋やバーは未だに人気で、月極駐車場が足りてない(月極駐車場を潰して店舗作っているのではないか?というレベル)。他の地域は駐車場どうしてるのか調べる。
駐車場不足しる地域どうしてるの?
結論。どうしようもなくてみんな困ってた。一例ですが、都心で駅から徒歩15分程度の高級分譲マンションには、約30戸に対して8台分しか駐車場がありませんでした。ファミリー世帯も多く入居しており、車を所有している購入者も多かったのですが、駐車場抽選に外れてしまった居住者は近隣に駐車場を探す事になります。しかし、都心の一等地だった為、そもそも貸し駐車場が少なく、あったとしても既に貸出済みで駐車場の確保が出来ない購入者が続出して問題になりました。なぜマンションでは駐車場不足が起こるのか より。
そして2017年には自動車保有台数が2億台を突破する見込みだ。しかし、駐車場は大幅に不足しており、控えめに見積もっても5000万台以上の駐車が不足していて、この数字はさらに増加する見込みだという。5000万台分の駐車場がない!中国の駐車場不足が深刻に=「絶対にわざとだ」「駐車違反キップで警察は大きな収入」―中国ネット より
地方の場合、駐車場が足りないのは主に中心市街地だけで、少し外れると広い土地が抑えられる。それで、会社を成長させると社員用の駐車場を確保できない中心市街地から抜けてしまうという流れが発生する。
大きい駐車場作る土地も余ってないんだよなぁと思っててみつけた横浜市の駐車場。「市営地下駐車場のご案内」まぁ、地下っていうのは分かるんだけど、市役所の地下とかなんでしょ?と思って見たら感心した。
これとか、
これ。
そう、道路の下に作ってる!これは用地買収とかなくていいから簡単そう。(お金があれば)
今日のまとめ
出店する店舗、オフィス、住民を増やすためには駐車場が必要なんだよなぁと思って調べてた。用地買収は大変だし、駐車場は難しいかと思ったが道路の下に作ればよかった。宇部新川駅前の道路は昼間ガラガラだけど、片側2車線に加え、贅沢な歩道もあって広い。その下に、500台規模の月極兼コインパーキングを作ろう!そうすれば、商店の出店も増えるし、オフィスにマンションに投資する会社もきっと出てくる。とはいえ、人口減少、高齢化が進んだ地域で過剰投資な雰囲気はある。