炭の需要はあるの?
備長炭等の高級な炭の需要は安定的にあるそうで、供給が足りていないそうです。特に高級な飲食店では、高品質な炭を利用しているそう。
茶道具を取り扱ってる石橋静友堂というサイトで次のような炭不足のお知らせが出てるくらい。
十年ほど前から 原木の不足・職人の減少 等々の理由により 「炭」が不足する状況が発生し、弊店でも (しばしばブログで取り上げ) かつ 安定供給に努めて参りましたが、東日本大震災 以降、状況は 悪化の一途をたどり、この度、現在の仕入先でも 安定的な入荷がかなわぬ 事態となってしまいました。
へぇ、そうなんだ。
年収は?
自分で釜持ってて、質のいい備長炭を安定して出荷できるなら1000万円は超えそう。和歌山県南部川村特産備長炭最硬質というページにこんな記載がある。
このお二人は、まだ脱サラ2,3年目で、「3回できればいい方。」との事であった。聞いてみると、二つの窯を持ち、月4回このサイクルをこなせれば、ほぼ大企業の部長クラスの年収に匹敵しそうな炭の単価だった。高知のトピックだと「2013.12.04 【室戸市】高知で働く。『土佐備長炭 窯元 炭玄』」にはこんな記述がある。
一回の窯だしで炭の出来によるけど、だいだい60万円くらいになる。室戸で十分暮らせる仕事になります!十分暮らせる、っていうのはこの60万円を数人で割るのかもしれないが、個人でやってるなら結構の収入になりそう。
ただし、これは備長炭等の高級な炭を取り扱える場合!!中国産の安い炭と競合になる炭を生産する場合は、もっと安い給料になる。週間ポストの記事では月収20万円くらいは頑張れば行けると書いてある。
「炭焼き職人」は月額20万円程度の収入を得られる仕事
元記事は既に消えているけど、2chに残ってる新潟県魚沼の炭焼き体験募集のニュースには、
市によると、昨年は30人以上が参加したが、後継者候補は出てこなかった。市農林課は「生業とするには難しい点も多いが、体験を通して関心を持ってもらいたい」と呼びかけている。と、生業にするには難しい位の収入にしかならないそう。この感じだと20万円切るかもしれない。
備長炭とは
wikipeida備長炭より。
本来木炭(白炭)の一種であり、ウバメガシのみを備長炭と呼ぶが、広義において樫全般、青樫等を使用した炭を指す場合もある。ただし、外国産のものを備長炭として販売する業者があるが、広義においてもそれらは外れるので注意が必要である。
紀州備長炭、土佐備長炭、日向備長炭などが存在し、また偽物も存在する。
白炭はなるべくなら製造所から直接購入し、短期間で使い切るのが好ましい。保管する場合は湿気が入らないよう厚手のビニール袋に密封し、場合によっては乾燥剤を添えるのが適切である。ウバメガシというカシの木を使って、白炭にするのが王道の備長炭。湿気に弱い。っていうのを理解した。
最近は、紀州(和歌山)で生産された備長炭を「紀州備長炭(商標登録)」としてブランド化しているそう。
紀州備長炭とはのページに書いてある備長炭のメリットで、際立ったものは次のような感じ。
- 赤外線の量が多い(ガスの火より多い)
- 安定した火力
- 長時間燃焼
- 炎が少ない
- 無煙
- 臭気無し
デメリットは、
- 高価
- 着火しにくい
などがあげられると。あと、湿気に弱いを追加してもいいけど、それは他の炭も同じかな。
炭の種類
備長炭は白炭(はくたん)で黒炭(こくたん)とは違う、みたいな説明があったので、それぞれなんじゃいということで調べる。wikiの白炭より。
白炭(はくたん、しろずみ、英: Hard charcoal)とは、木材を炭化させた木炭のなかから、高温で焼成し、窯の外へ掻き出して素灰を掛けて急冷させ消火して作るものを指す[1]。主に備長炭などが知られる。主成分は、ほぼ炭素であり、ごく少量アルカリ塩を含んでいる。
白炭は生成過程での高温処理の為に黒炭より炭素率が高い傾向にあり、その分、低温処理された黒炭よりは余分な燃焼ガスの放出も少ないことから炎や燻煙で食材に焦げ目や雑味が付くことも少なく、焼きもの調理に適していると言われていた。 しかし、近年に於いては1000度に達する高温で処理された黒炭も存在し、一概に白炭の炭素率だけが高いとは言い切れない様になりつつある。煙や臭いが出にくくて良い炭は白炭にまとまりそうだなぁ。ここでちょろっと書いてある、高温で処理された黒炭の性能が分からん。
wikiの黒炭より。
黒炭(こくたん、くろずみ、英: Soft charcoal)とは、木材を土窯を使い炭化させた木炭である。主成分はほぼ炭素であり、ごく少量アルカリ塩を含んでいる。
黒炭は主にナラ、カシ、クヌギなどが専用の土窯で比較的低温で炭焼され、密閉鎮火して製造された木炭である。備長炭に代表される白炭との大きな違いは製法にあり、白炭は精錬時に内部温度が1000度ほどになるのに比べ、黒炭は400度から700度ほどとされている[1]。ただし、近年では白炭精錬時と同等の1000度に達する高温で精錬し、炭化率も白炭と同等のユーカリ材等を使用した高品位な黒炭も存在する。黒炭と白炭の大きな違いは消火方法であり、白炭は灼熱した状態で窯の外へ掻きだし、白色の消し粉を掛けて急冷鎮火させるが、黒炭は焚き口に蓋をしたうえで煙突にも蓋をし、酸欠下で消し壺のように時間をかけて鎮火させる点にある。黒炭は白炭に比べて柔らかく、白炭よりは比較的容易に着火剤やバーナーで着火することができ、燃焼温度や火勢自体は強く、着火しやすい。白炭と黒炭は消火方法で色が変わるそう。白炭の方が高く売れるなら白炭にすればいいじゃんと思ったけど、良質な木材とブランドが無いと売れないから、バーベキュー向けの黒炭の方が良くなるのかなと思った。
木材の産地について
日本は山が多くて、どこでも木が手に入りそうだが、備長炭の場合はその材料の調達が大変で高価になっている部分があるそうだ。
備長炭の材料になる木は、ウバメガシの他、本ガシ、アラカシも利用するそう。(知られていない カシ、その他の原木の紀州備長炭)
ウバメガシは、丈夫なので街路樹などにも利用されるが、温暖な気候を好み神奈川県以南でないと自生していない。特に、四国や紀伊半島の温暖で乾燥しやすい地域に林を形成しているそう。
アカガシ・・・本州の宮城県・新潟県以西、四国、九州、朝鮮半島南部、中華人民共和国、台湾に分布する常緑高木。
イチイガシ・・・本州(関東以西の太平洋側)・四国・九州・済州島・台湾・中国に分布する。
アラカシ・・・中国、台湾、日本(本州東北以南、四国、九州)に分布する。
ハナガカシ・・・宮崎県以外では、鹿児島県、大分県、高知県、愛媛県に稀産する常緑高木。絶滅危惧種。
オキナワウラジロガシ・・・日本の固有種で、奄美大島、徳之島、沖縄島、久米島、石垣島、西表島の湿潤で肥沃な非石灰岩地に分布する。
シラカシ・・・福島県以西、朝鮮半島南部の山地に自生するが、主に関東地方の照葉樹林帯に多い。照葉樹林の構成種ではあるが、この森林帯の北限付近で多く見られる。本州南岸以南では数が少ない。
ツクバネガシ・・・宮城県・富山県以西の本州、四国、九州、台湾に分布する常緑高木。(なんで、東北は宮城県だけ生えてるんだろ?)
ウラジロガシ・・・日本では本州の宮城県・新潟県以南から四国、九州、琉球列島に分布する。日本国外では朝鮮半島南部と台湾に分布する。
ウバメガシ・・・日本での分布は本州の神奈川県以南、四国、九州、それに琉球列島に分布する。日本国外では中国中部、南部、西部とヒマラヤ方向へ分布が広がっている。また、沖縄県が分布の南限である。
関東より北はカシが必要になる備長炭作るの難しそう。でも、結構広い範囲で炭は作れそうだね。